感想の掃き溜め

140字に収まらなかった主観

ストーリーを踏まえたMazeの歌詞考察(ネタバレ有り)

 

 

東京3日間連続公演が終了しました。

初日から5公演が終わり、その中でストーリーはにーちゃんさん、白服さん、野崎さん、フォーゲルさん、あおいさんのものが行われました。

 

 

5公演終わったところで新たなわかったこともあれば、逆に疑問が増えたところもあります。

色々と考えだすと止まりませんが、今回はストーリーを踏まえた上でMazeという曲の歌詞を見ていこうと思います。

公演内容、またMazeの歌詞についてのネタバレを盛大に含んでおります。ご了承ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、このMaze No.9、めせもあ。3rdシングルに収録されているMazeと関連していることは言うまでもありません。ストーリーパートはMazeのインストverを踊りながら台詞を語るシーンから始まり、当然のことながら繋がりを感じさせます。

 

というわけで、ストーリーを見た上でMazeの歌詞を見ると、やっぱりこの歌詞はストーリーに沿っているのだろうなと思わずにはいられません。

 

また、これは曲にもストーリーにも言えることですが、このMazeは迷路がめせもあ。さんの歩む道の比喩になっていると考えられます。

それを踏まえて全体の歌詞を通して見てみると、Maze No.9という迷路でのストーリーの一部始終をなぞりながら、めせもあ。さんのこれまでとこれからを歌詞の中で描いているように思えてきました。

 

わたしが感じたざっくりとした流れは、1番では迷路に迷う様子、本当にこの道で良いのか迷う様子が描かれ、2番ではその迷いから抜け出すためにパラレルワールドへ行き、別の道を行こうとする様子とそれを連れ戻そうとする様子、そしてその後、迷いからの脱却とゴールへの希望、そして迷路を抜けた先の未来が提示されている、というものです。

 

その前提で歌詞の気になるところを拾って見ていきます。

 

 

 

 

 

まずは始めの歌詞から。

「ドア  立ち並ぶドア  

   ドア  選ぶ意味とは  

   どうか思い出して」

 

ここではまず「立ち並ぶドア」から、ドアを開けて進む形式の迷路であるMaze No.9の様子が思い浮かびます。この迷路でドアとは分岐点です。ここで、めせもあ。さんたちの前にはたくさんの選択肢があることがわかります。

 

「選ぶ意味とは」。これはMaze No.9を進む意味、ゴールの見えない道を進み続けることへの意味を問うてるのかなと思います。

ただこれは単純に疑問というよりも、選ぶ意味とはなんだったかをもう一度考え直すための問いのような気がします。

 

そして、「どうか思い出して」。

これはストーリーに重ねると、めせもあ。でない人生に迷い込んでしまった人への、めせもあ。のことを思い出してほしいというのみんなの気持ちのように見えます。

また、その前の選ぶ意味とは、にかかって、扉を選んで進み続ける意味を思い出してほしい、という意味にも聞こえます。

 

 

1番です。

1番は迷路を進みながら、迷う様子が描かれています。

 

「分岐不可避  正解不可視」

分岐点は避けられず、正解の選択肢は目に見えないようです。

「抜け出せるのか?」

本当にゴールできるのか?という疑問がわいてきます。

 

「八方塞がり 堂々巡り」

迷路で迷って身動きが取れなくなっている様子でしょうか。

 

「本当にそうなのか?」

このそうなのか、の「そう」はなにを指すのか。いろいろ考えていたのですが最終的に2つに絞りました。

1つは、その扉を選ぶことが正解なのか、という意味です。迷路で迷う中でみんなと一緒に選んだ扉に対して疑問を持ってしまうような描写なのかな、と思います。

2つめは、直前の「八方塞がり堂々巡り」を指す指示語、という捉え方です。自分は本当に八方塞がりで堂々巡りしている状態なのか?という自問自答の部分なのかな、と考えました。

 

そしてどちらの意味であってもその問いの答えが「ドアから右手が離せない」なのかなと考えました。

このドアはおそらくパラレルワールドへつながるドアなのかなと思います。ストーリーの中では、パラレルワールドへ行ってしまう直前、『どうしてもその扉から目が離せなかった。手を伸ばしたらみんなとはぐれてしまった』というようなストーリー担当の独白があります。

この台詞から、パラレルワールドへの扉は開けたいという気持ちを持って手を伸ばしただけで開いてしまうものだとわかります。

ということは、ドアから右手が離せない=めせもあ。ではない自分のいる世界に行ってしまった、ととっても良いのかなと思います。

 

そしてその前の「本当にそうなのか?」という迷いに対するひとつの解決策、解消策がこのパラレルワールドに行く、ということになるのだと思います。

本当にこの道が正しいのか?という迷いでも、本当に自分はいま八方塞がりなのか(ほかに抜け道があるのではないか)という迷いでも、その解決策として今の自分を捨て違う道を行くというのは有効です。

 

そしてサビ。

「wandarer」はさまよう人、放浪者という意味だそうです。

「上空から見りゃ一目瞭然」

迷路型のアトラクションを思い浮かべたとき、それを上空から見れば確かに正しい道は一目瞭然です。現実に置き換えてみると、上空とは外野のことなのかな、と思います。ファンも含めてめせもあ。の物語の中にいる人たち以外の誰かから見れば、めせもあ 。さんの進む迷路のゴールは(悪い意味で)一目瞭然だとおもえるのかもしれません。もちろんそんなところはゴールではないことは私たちにはわかっていますが。

 

「色彩で照らしゃあそりゃあ一望千里」

色彩で照らすと一望千里。ここの比喩の意味がすごく気になります。

色彩、という表現は後半でも再度出てくるのですが、そこは埋める、となっています。こちらは照らす。この色彩とはなんなのでしょうか。

 

この歌詞を見たときぱっと思いうかんだのはペンライトの光る客席の光景です。

ただ、ここでの色彩はこれとは違うのかなと思います。ここの前の「上空から〜」の部分で、この上空とは外野のことなのではと書きましたが、ここと関連して、この色彩とはめせもあ。をよく知らない人によるプロデュースのことを示唆するのかなと考えました。

 

めせもあ。さんの自己プロデュースの素晴らしさ、どんなクリエイターさんと一緒になっても軸がぶれないところは本当にすごいと思います。これはご自身で様々なことを考えて話し合って選んで行動してきているからだと思います。

ですが、ひとたびそのこだわりを捨てて、なにも知らない、わかってない他のだれかの手に委ねてしまったら。正直、ここまでの集客力のあるグループなんて、引く手数多だと思います。そしてそれに乗って、他人の作った色彩に照らされてみれば、もしかしたら、あっさりとこの先の見えない迷路を抜けることができるのかもしれません。

 

でもそれは「無理」なのです。

「地べたを這い泥を喰らい抗い迷い」ながら、今の迷路を進むしかないのだという言葉で1番は終わります。

 

 

 

2番です。

2番からはパラレルワールドに迷い込んでしまった描写が始まります。

 

「動機不可解」

ここの動機とはなんに対する動機なのでしょうか。色々考えてみたのですが、やっぱりはじめにアイドルを始めた動機と取るのかなと思います。パラレルワールド、つまりアイドルではない世界に行ってしまった今となってはなぜそんなことを始めたのかももうわからないということなのでしょうか。

 

「救済不可能」

ここは助ける側の視点になり、連れ戻すことの難しさが描かれていると考えました。

 

「諦めるのか」

ここは2つの取り方ができると思います。

1つ目は、連れ戻すことは諦めるのか?という助ける側のこと。2つ目はパラレルワールドに迷い込んでしまった人が心の片隅に置いたままにしている夢を諦めてしまうのか、という迷い込んだ側のことです。

 

「行ったり来たり 独り善がり」

ここはパラレルワールドに迷い込んだ人を助けようとする人たちのことでしょうか。たしかに別の世界で幸せに暮らしているところから見ると、独り善がりなのかもしれません。

 

「本当は知ってるんだろう」

これはパラレルワールドに迷い込んだ人へ助け出す人たちからの問いかけだと思います。めせもあ。のことを忘れて、やりたい事を抱えながらも平穏で幸せな日常を送るメンバーへ、本当はここではない世界があることを知っているのではないか、と問いかけるのです。

 

「なぜ君から目が離せない」

ここはストーリーの中で見ると、「君」は助けに来た人が変身した姿。英和辞典や犬やお守りなどであるのかなと考えました。これは、パラレルワールドに迷いこんだ人の気づきの言葉であり、思い出すきっかけの場面であると思います。

 

そして2番サビ。

ここは迷う側と助ける側の視点が入り乱れているのかなと思います。

「あなただぁれ?」は迷う側の視点。サビ前にめせもあ。だった記憶を思い出すきっかけを得たことで、呼び起こされた記憶の中のめせもあ。メンバーさんやそれにかかわる人々に対して、誰なのか?と問いてると考えました。もうすでにかなり思い出してきているということなのでしょうか。

「戻ろう 帰ろう」助ける側の人たちは呼びかけます。

「やだ」それを拒否する迷う側。

「どうして」ここはお互いにお互いへの疑問を投げかけているところなのかなと思います。どうして戻れないのか、どうして戻らなければならないのか。

 

「ここまでくりゃそりゃ一心同体」

個人的にここの解釈が一番悩むところでした。このフレーズだけだと、解釈が難しいので、すこし先までまとめて見ていきます。

 

このさきは「でも無理だね だって僕らは 自ら問い答え探し戸惑い迷う生物だから」と続きます。

 

ここまでくれば一心同体、だから一緒に扉を開けよう、ということなのかなと思ったのですが、その直後に無理だね、と来ています。一体どういうことなのか。

 

このことについて考えているときにふと思い浮かんだのが、V6三宅健さんのある言葉です。

以下青字部分は、めせもあ。さんとは一切関係ない話ですので読み飛ばしていただいて大丈夫です。

ジャニーズグループはその結成の際、メンバーの決定に関してタレント本人が意見を求められることがある、というのは割とよく知られている話しであり、V6も例に漏れず結成のときのメンバー決定に関して意見を求められたひとがいたそうです。それの1人が、健くんでした。このエピソードは数年前、グループ結成20周年のころにテレビ番組で初めて明かされた話しです。

V6結成前、健くんは社長であるジャニーさんに複数のジャニーズJr.の名前が書いてある紙を見せられ、どう思うか問われたそうです。そしてその中に、現在V6メンバーである森田剛くんの名前はなかったそうです。剛くんと健くんはその当時、剛健コンビと呼ばれ、デビュー前のジャニーズJr.ながらカリスマ的人気を誇っていました。(剛健コンビのエモいエピソードについては調べれば山ほど出て来ますので興味のある方はぜひ。)

ですが、デビュー予定のグループの中に剛くんの名前はなかった。健くんはそれを見て、剛は?と社長に聞いたそうです。そして、剛がいないならやりたくない、と伝えたそうです。それを聞いた時は、そんなに一緒にいたかったのか…と尊い気持ちになりました。

ですが、このことに関して健くんはのちにご自身のラジオ番組で、「その当時のジャニーズJr.から森田剛のいないグループを作ってデビューさせても、そんなグループは絶対売れないと思った」という趣旨のことをおっしゃっています。そのときたまたま一緒にいたから、一緒にいたいからだけではなくて、きちんと自分で考えて一緒にいることを選んだわけです。とはいえ健くんは本当の中に嘘を混ぜたり、嘘の中に本当を混ぜたりするのがすごく上手な方なので、この気持ちが本心からのことなのかはわかりませんし、一番の理由は一緒にいたいからだったのではないかなと、1ファンとしては思うところではあります。

 

「一心同体」でも「無理」なのはこの健くんの言葉のように、ただ一緒にいたから、いるからだけではなくて、自分の気持ちを考えた上で一緒に扉を開けることを選ばなければ意味がない、ということなのかなと思いました。そしてそれが自ら問い迷い答えを探すということなのかな、と思います。

 

 

ここで歌詞は冒頭のものに戻ります。

「立ち並ぶドア 選ぶ意味とは」

再度選ぶ意味を問い直します。

ここから続く一連の言葉から最後のサビまででこの歌詞の物語は一気に完結を迎えていくように思います。

 

「憧れた空」

この歌詞の中で空は自分たちの外側を指すものとして使われているのではないかと思います。であればここでの憧れた空は活動を始めた当初からのアイドルへの憧れなのかな、と思います。

 

「回りだす独楽」

独楽の回る様子を想像してみると、どこかダンスを踊っているようにも見えます。ここから、回りだす独楽とはダンスを踊りだすこと、そこから転じてむすめん。さんとして活動を始め出したことを示唆するのかなと考えました。

 

「描かれた虎」

この歌詞を見たとき、こんな故事成語があったような気がして調べたところ出てきたのが「虎を描きて狗に類す」でした。もしもこの描かれた虎がこの言葉を指すのであればファンとしてはとてもつらいなぁと思ってしまいます。

この言葉の意味は「力量のないものがすぐれた人の真似をしてかえって軽薄になってしまうこと」。

参考URL↓

虎を画きて狗に類す(トラヲエガキテイヌニルイス)とは - コトバンク

 

そんなことなかっただろうし、そんなことないのはわかっているけど、もしかしたら当時はこんな声もあったのかな、と。当時をリアルタイムで知らないわたしは想像するしかありませんが、そんなところと結びついた歌詞なのかもしれないと感じました。

 

そして続く

「過ぎ去りし咎」

「打ち破る永遠」

ここで少し希望が見え始めるのかな、と思います。が、ここの咎や永遠が何を指すのか、いまいち掴みきれていません。ツアーを見ながらもう少しよく考えたいと思います。

そしてこの打ち破る永遠。とみたけさんの力強い歌い方もあって、この部分をきっかけに迷いが晴れ、パラレルワールドから元の世界に戻る道が拓けたような雰囲気を感じました。

 

 

さて曲はサビ頭のフレーズに戻り、あおいさんの「また分岐点?」。これはパラレルワールドから元の迷路に戻ってきても分岐点は尽きないといつことかなと思います。

そして白服さんの「一生からすりゃそりゃ一炊之夢」。一炊之夢とは人の栄枯盛衰は儚いことのたとえだそうです。

参考URL↓【一炊の夢】の意味と使い方の例文(慣用句) | ことわざ・慣用句の百科事典

 

一生という長い時間で見れば、今のこの時間は誰にとってもたしかに一瞬なのかもしれないな、と思います。

 

そしてラストのサビ。

「今どこらへん?」

「上空から見りゃそりゃ一望千里」

「見えないつかめないまだ?どんだけ?」

と、再度迷路の中で迷う様子が描かれます。ですがここでは前半とは展開が異なります。

 

それが「色彩で埋めりゃそりゃ一望千里」というフレーズです。ここでの色彩こそ、ペンライトで埋まる客席を指すのかな、と思いました。また、ストーリーを踏まえるとメンバーカラーの紙で埋めて色を付けた扉のことでもあるのかな、とも思います。ということは、ここでの色彩=ファンや応援してくれる人の存在なのかな、と考えました。

 

また、ここでやっと迷路を抜け出しゴールへの希望がはっきりと見えたように感じました。

続く「あとちょっとだね」という歌詞も、それまでは無理、見えない、あとどんだけ?と先も見えず迷うばかりだったのが、色彩によって一望千里になり、迷路を抜けるまであとちょっただとわかる。もしも色彩がファンをさすならこんなに嬉しいことはないなと思います。

 

そして最後の「だって僕らは命を賭し声を枯らし繋がり迷う生物だから」。

これを見ると、つながり迷う、ということで、まだまだ彼らは迷い続けるのかな、と感じてしまいます。これはきっと、Maze No.9をゴールしてもまたその先にはたくさんの分岐点があり、そのたびに迷いながら、それでもいろいろな人とつながりあって先に進んでいってくれる、ということなのかな、と解釈しました。

 

Maze No.9のゴールになにがあるのか、今はまだ全然わからないけど、このMazeの歌詞をみてみると、やっぱりその先は希望に満ち溢れているような気がしてきます。

Maze No.9の結末もその先も、楽しみで仕方ありません。