感想の掃き溜め

140字に収まらなかった主観

Maze No.9を9公演見て思うこと(ネタバレ有り)

 

Maze No.9、初日から数えて9公演目が終了しました。

約2時間ほどの公演時間の中で、たくさんのことを考え、感じられるライブでした。その感情の波は自分でもびっくりするほど激しく、毎回終わった後は疲労困憊です。でも、そんな疲れもなにもかもが幸せで、最高に楽しい素敵なライブでした。

 

さてついに、ストーリー9話もこれで出そろいました。

とにかくいろいろなことを感じたので、いつものごとく書き残しておこうと思います。

以下、公演内容に関するネタバレとなりますのでご了承ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

始めに、ストーリーの内容について振り返っていきます。

 

まずはMaze No.9の基本情報について。

・Maze No.9とは9人一組で行う迷路型のアトラクション。

・迷路の中では扉が分岐点となっており、その扉は必ず9人で開けなければならない。

・もしも違う扉を開けてしまったら、その人はパラレルワールドに迷い込んでしまう。

パラレルワールドでその人はめせもあ。ではない人生を歩んでおり、自分がめせもあ。だったということは忘れている。

・助けに行くことができるのは残されたものの中の一人だけで、なおかつそのままの姿で行くことはできない。

パラレルワールドに迷い込んだ人にめせもあ。のことを思い出させることができれば元の世界に連れ帰ってくることができる。

 

 

 

ストーリーはパラレルワールドに迷い込む人を主人公として全部で9通りありますが、大きな話の構成は全話共通していました。次はその流れについて振り返ります。この物語は前後編に分かれており、前半部分はMaze No.9の始まりからパラレルワールドに迷い込んでしまうまで、後半部分はパラレルワールドに迷い込んでから連れ戻すまでが描かれます。

 

 

まずは、その前半部分から。こちらは全話ほぼ共通の流れでした。

ストーリーパートに入る導入としてMCがあります。MCの中でのきっかけとなるのはきまぷりさんの、Maze No.9というツアータイトルをどう思うか、という問いです。その後、MCのようなトークが続き、ストーリーパートに入っていくような構成になっています。その流れを思い出せる限り書き出してみます。

※台詞はすべてこんな内容、流れだったかな、という程度のざっくりしたものです。また、記憶があいまいな部分も多く、間違っているところや抜けているところも多々あると思います。ご了承ください。

 

(横一列に立つ9人。たしか下手から兄→と→野→フ→あ→白→気→ノ→二だったと思います。)

気→ツアータイトルMaze No.9についてどう思う?

と→そもそもMazeとはどういう意味?

兄→Mazeとは迷路という意味。

気→「ラビリンス」とは違う?

兄→ラビリンスとは、古い建物などが時間をかけて迷宮化してしまったもの。Mazeは人工的に作られたもの。

フ→遊園地とかの巨大迷路はどっち?

兄→それはMaze。

 

(サイレンの音が鳴り、ステージが赤い照明に。エマージェンシー感。)

(ステージが明るくなり、ワルツ調の曲*1が流れる)

 

天の声→(Maze No.9についての説明)9人一組で進む迷路。扉は一緒に開けなければならない。今まで9人全員でゴールできたものはいない。果たして無事に全員でゴールにたどり着くことができるか。

野→もし違う扉を開けてしまったらどうなる?

天の声→もしも違う扉を開けてしまったらその人はパラレルワールドに迷い込んでしまう。そしてもしその世界がその人にとって心地の良いものだったとしたら、戻ってこられないかもしれない。

 

二→だれか欠けるかも…ってこと?

天の声→それはあなたたち次第。

 

(あおいさんのセリフ中にステージ真ん中の後方にフォーメーションを作る)

あ→Maze No.9…。とりあえずやるしかないってこと…?

白→じゃあ、行くよ。

 

(白服さんの扉を開ける動作とともに恐る恐るといった様子で全員で扉の中に入る。)

(Mazeのインストverが流れ、ダンスとともにセリフ。以下、ダンス中のセリフ)

兄→白服さんを先頭におれたちは進んだ

気→扉をあけるたびに迷って悩んで決意して

白?→途中で一度にーちゃんがはぐれてしまった

(にーちゃんさんが他8人から離れるような動き)

 

全→でも

野→信じて進み続けていたら

二→また会えた

(輪の中心ににーちゃんさんがいて、他のメンバーが手を差し出す。二番さんの台詞のあと、にーちゃんさんのもとに駆け寄って全員で笑いながら肩を抱き合う)

(フォーメーションを作りダンス)

 

と→大きいドア重いドア

?→いろんなドアがあった

白→いつだってドアを開けるのは怖かった。進むのは怖かった。

 

(センターであおいさんと白服さんが並び、あおいさんが白服さんに笑顔を向ける)

あ→でも、みんながいれば平気でしょ

白→みんながいれば、ゴールまでまっしぐら…!

 

(全員が体を伏せ、ストーリー担当だけがその真ん中に立つ)

ストーリー担当→どうしてかはわからないけれど、その扉から目が離せなかった。どうしてもその扉を開けてみたいって思って、手を伸ばしたらみんなからはぐれてしまった。俺(僕)は…。

(↑のセリフはそれぞれの普段の話し方に近い言葉遣い。)

(台詞後、ストーリー担当は後ろを向く)

 

野→あれ…?(ストーリー担当)は?

白→もしかして別の扉を開けてしまった…?

 

(お手紙をもった妖精さんが登場。驚き、とにかくびびる8人)

妖精さん→(しばらくいろんな人を追いかけるなどしたあと、白服さん〈白服さんがストーリー担当or助ける担当のときにはきまぷりさん〉にお手紙を渡す)

(公演によってはだれかのマイクを奪って一言あることも…)おてがみでーす

 

白or→(困惑しながら手紙を開ける)「君たちの仲間は違う扉を開けてしまった。パラレルワールド、もしかしたらの世界。もしも彼が、めせもあ。でなかったらの世界。そこで彼は自分がめせもあ。だったという記憶をなくしている。連れ戻しに行くことができるのは1人だけ。ほかの人はモニターで見守ることができる。ただし、いくつかのルールがある。1、自分の正体を明かしてはならない。2、強引に連れ戻してはいけない。3、そのままの姿ではない。」

 

(再度妖精さん登場。手には紙飛行機。8人の中をぐるぐる回りながら最後に助ける担当の人に紙飛行機を渡す)

?→もしかして、これをもらった人が助けに行くってこと?

助ける担当→(紙飛行機を開くとその人が変身するものが書かれており、読み上げる)

 

天の声→パラレルワールド。もしかしたらの世界。迷い込んでしまった仲間を連れ戻すことができるのか。そもそも、ゴールできるかもわからないこの迷路に戻ってくることが本当にその人にとって幸せなのか。

では、いってらっしゃい。

助ける担当→よくわからないけど、俺が絶対に(ストーリー担当)を連れ戻す。めせもあ。のことを忘れた、なんて悲しすぎる。俺が絶対に思い出させてやる!(各々の言葉遣い。また人によって言い方もかなり違う)

 

(横一列に並んでONアカペラバージョン)(後ろを向いていたストーリー担当もゆっくり列に参加)

 

この後暗転し、前半パートは終わりです。

 

 

 

 数曲のライブパートを挟んだのち、後半のストーリーパートが始まります。

後半パートは、前半で迷い込んでしまったパラレルワールドでのことが演じられます。先に明かされているように、パラレルワールドに迷い込んでしまった人は、めせもあ。でない人生を歩んでおり、その職業はその人が本当にめせもあ。でなかったら就いていそうなもので、とてもリアルでした。

 また、それを助けに行く人は、「そのままの姿ではない」ものに変身することになります。

 さらに各話ごとにテーマ曲が設定されており、この曲がそれぞれのお話にとってとても重要なものとなっていました。

それらの組み合わせについては以下の表の通りです。

 

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 加えて後半パートでは衣装も変わります。

ストーリー担当、助ける担当以外の7人はそれぞれの推しTです。

ストーリー担当は全身黒の衣装で、ジャケットの人とパーカーの人とエプロン着用の人がいました。確か、ジャケット→兄・ノ、パーカー→白・二・あ・と、エプロン→野、フ、気で、それぞれのパラレルワールドでの職業に一番あったものになっているようでした。

助ける担当は、その人が変身するものにちなんだ衣装でした。

 

 後半パートが始まるとまず、ストーリー担当、助ける担当以外の7名はステージ上下に分かれて並びます。それぞれ手には台本らしき冊子を持っていました。

ストーリー担当はステージ中央に置かれた椅子に座り、パラレルワールドで働いているときの様子を動きのみで演じます。

 

立ち位置に着くと、7人の言葉からストーリーが始まります。

 

7人→パラレルワールド、もしかしたらの世界

?→その世界で(ストーリー担当)は(職業)だった

 

 ストーリー担当はそのまま演技を続け、7人はその様子を見ながら口々にこの仕事は○○にぴったり、楽しそう、連れ戻すのは難しいのでは…など不安をあらわにします。

そんな中白服さんが「弱気になっちゃだめだ。(助ける担当)を信じよう!」とみんなを励まし、それに対しとみたけさんが「(助ける担当)ってなんになるんだっけ?」と尋ねると、他のみんながそれに声を合わせて答えます。

 

 その答えを合図に助ける担当のメンバ―が登場します。その際には、変身するものにちなんだ衣装になっています。そのまま8人で衣装などについてわちゃわちゃとしたトークがあり、その合間に野崎さんが正体を明かしてはいけない、強引に連れ戻してはいけないというルールを再度説明します。最後に、見守るメンバーが助ける担当のメンバーに「(ストーリー担当)を頼んだよ」と言って、助ける担当はパラレルワールドに向かいます。

 

 助ける担当が舞台から立ち去ると、7人がストーリー担当を囲むように位置をとります。その真ん中でピンスポットを当てられたストーリー担当はパラレルワールドでの自分について語りだします。その内容は様々ですが、ほとんどのメンバーが「パラレルワールドでの人生にある程度満足している」ということは共通しているように感じました。

 

 その後、助ける担当が登場し、物語が進んでゆきます。ここからの内容は各話で異なっていました。

共通していたのは、ストーリー担当が記憶を取り戻し、助ける担当とともに元の世界に戻ると決めてからの動きです。

 

 助ける担当は記憶を取り戻したストーリー担当に、「間違って開けてしまった扉の所まで戻ろう」と言い、二人は手を取り合って扉の前に立ちます。助ける担当が扉を開け、一歩中に入り、いざストーリー担当も続こうとします。ですがそこで、「扉ってどこにあるんだ?」と、ストーリー担当は問いかけます。

 

 ステージにいる全員が困惑した表情を浮かべる中、最初に妖精さんから渡された手紙を手に白服さん(orきまぷりさん)が「あああああ!!ごめん!!!!手紙もう一枚あった…」と声をあげます。他のメンバーに怒られながら白服さんが読み上げた手紙には、『たとえ記憶を取り戻したとしても元の世界に戻ることができるとは限らない。元の世界に戻るためにはこちら側のみなさんの戻ってきてほしいという強い思いが必要となる。元の世界に戻るための扉は無色透明でそれに色をつけなければ、戻ってくることはできない。』というような内容が書いてありました。

 

 みなさん…?と戸惑うメンバーの中、野崎さんが客席にむかって言います。「みなさんって、みなさんのこと…?」

 

 そんな中、助ける担当が困惑しながら7人のもとに戻ってきます。白服さんは助ける担当に手紙を手渡し、助ける担当もこの事態を把握します。

 

 その後7人はそれぞれストーリー担当のメンバーカラーの紙を取り出し、「このメンバーカラーの紙にメッセージを書いて届けていただくと…」と説明しながら、ストーリー担当の前に扉の形を作るように掲げます。が、まだ形作るには足りず、扉は完成しません。ストーリー担当はその扉を開けようとしながら、「ここに扉があるのはわかる。でも、まだ開かない…」とつぶやきます。

 それを見て、助ける担当も含めた8人は横一列に並び、「みなさんご協力をよろしくお願いします!」と客席に頭を下げます。

 そして、白服さんの「もっとたくさんのメッセージを…あっもしかしてこれって…?」という言葉に続けて全員が「メッセージ モア…?」と顔を見合わせたところでこの物語は終わります。

 

 エンディングとして最後にもう一度ONを歌うのですが、そのときにはストーリー担当が列の真ん中に入るような立ち位置となっていました。

 

 

 

以上が各話に共通している流れかなと思います。

 

 

 

 

 

 さて、ここからはこのストーリーについて思ったことを書いていこうと思います。本当に全部主観でしかないです。

 

 1話目のにーちゃんさんのストーリー回を見た後、わたしはこの物語は「パラレルワールドでも幸せで充実していたことを前提として、それでも今の世界を肯定して戻ってくる、というところに希望を感じる」という内容の感想を書きました。

Maze No.9を1公演見て思うこと(ネタバレ有) - 感想の掃き溜め

 

 全話観た今も、その感想は変わっていません。ですが、この「幸せ」や「充実」とは何か考え直すというのも、この物語の一つのキーポイントなのかな、と思っています。

 

 どのお話でも助ける担当のメンバーは、パラレルワールドにいるメンバーに「本当はやりたいことがあるのではないか?」「もっと楽しい何かがあることに気付いているのではないか?」というようなことを語り掛けます。

 それに対しパラレルワールドにいる人は「夢は夢でしかない」「かなうわけない」といったことを返していたように思います。

 

 これはある意味、とても普通の考えだと思います。パラレルワールドにいるメンバーのほとんどは、あこがれていた夢ややってみたいことを頭の隅に持ちながら、それなりにやりがいのある仕事に就き、趣味を楽しみ、居心地の良い居場所にいました。パラレルワールドでの彼らの生活は平凡で、でも幸せなものだったはずです。

そんな生活を捨ててまで、夢を追うことは本当に幸せなのでしょうか。

 

 

 

 このストーリーのことを考えていると、ふと思い出す映像があります。それは元モーニング娘。道重さゆみさんの、モーニング娘。加入オーディション時の映像です。ボイストレーナーの先生に激しく叱責されながら、「どうしてモーニング娘。に入りたいの?」と聞かれた道重さんは小さな声で「好きだから」と答えます。そしてそれに対し先生は「好きならどうして努力しないの?」と返す、あのシーン。

 

 「好きだから」。なんてシンプルでわかりやすい感情だろう、と思います。好きだからやってみたくて、好きだからアイドルになりたい。彼らの始まりも、そんな感情からだったのかなあ、とつい想像してしまいます。そして、好きなら努力するのが当然なのです。とっても厳しい言葉だけど、きっとそうなのだろうなと思います。

 

 「本当に好きなことは仕事にするべきではない」と就職活動をしていた学生時代に言われたことがあります。当時、わたしもその通りだと思いました。それは、好きだからこそ真剣になるしかなくて、それは時にしぬほどつらくて苦しくて、その苦しさに耐えられなくなったときに、好きだったものを嫌いになってしまうかもしれない、と思ったからです。

 

 もしも、彼らにとってもそうであるなら、あのパラレルワールドでの生活からこちらの世界に戻ってくることは本当に、幸せなことだったのでしょうか。

 

 ですがストーリーの中で、彼らは絶対に元の世界に戻る扉を選びます。その理由はそれぞれのストーリーの中で感じ取ることしかできませんが、きっと、その扉の先に心を震わせるものがあると知っているからなのかな、と思います。辛くても苦しくても、それさえも楽しめるほどの何かがあるからなのかな、と思うし、そうであってくれ、と思います。

まだこの物語の本当の結末は明かされていません。ですがきっと、そうやって選んだ扉の先には希望しかないだろうなと思っています。

 

 

 そして、「好きだから」が全部の根っこだと思うたびに立ち返って考えるのが、こうやってめせもあ。さんのファンをしている自分や周りの人のことです。

 わたしは地方在住のため、現場といえばたいてい泊まりになるのですが、週末が来るたびにキャリーケース引いて飛行機に乗って、日曜日の夜中に帰宅して翌朝7時にはスーツ着て出勤して、また週末がきたら数日前に空にしたばかりのキャリーに荷物を詰め直してまた飛んで…みたいな生活をあっさり続けてしまえているのも、当たり前だけど好きだからなんですよね。確かに身体も財布もしんどいときもたくさんあるけど、それを余裕で越えられるくらい楽しいし幸せだなあといつも思います。

 またライブに行くと、会場にいるたくさんの人がみんな楽しそうで、知らない人ばかりだけど不思議な一体感みたいなものがあって、みんなめせもあ。さん好きなんだなぁと感じるたびに自分もますます幸せな気持ちになるようで、それも全部根本は好きだからの一言に尽きるのかなと思います。

 

 

 わたしがこの物語を9話見ていちばん感じたのは、そんな「好き」という感情の強さみたいなもので、やっぱりこのお話は希望に満ちた圧倒的に前向きな物語なのかな、と思っています。感情が動きすぎてしんどいこともあるのですが、このストーリーの一部始終を見守ることができて本当に幸せです。

12月24日に待ち受けるゴールとその先の未来を楽しみに、これからの物語を追いかけようと思います。

*1:ONのアレンジぽく聞こえました